第二新卒を利用してキャリアアップし、大手外資系メーカーへの転職を成功させた体験談

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『転職はリスクの方が大きく、給料や企業規模をダウンさせないと難しい…』

転職市場ではこれが定説です。

もちろん年収アップを目指して規模の大きい企業にキャリアアップする人もいますが、転職活動をしてる方の多くは
『激務で死にそう』
『人間関係が上手くいかない』
などのネガティブな要素を抱えている
のが現状です。
キャリアアップよりも『会社を辞める』ことが主目的で、待遇を犠牲にしてしまうことが多いのです。

私は転職によるキャリアアップとキャリアダウンの両方を経験しています。
一部の『成功者』になるためには、相応の努力とスキルはもちろん、なによりもが必要です。
効率的に大企業を渡り歩く天才肌の人もいますが、今回は『泥臭く』キャリアを繋いでいった人間の体験談を書いていこうと思います。

新卒で中小印刷会社に入社(システムエンジニア)

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私はマイナーな工業系の私立大学を卒業した後、中小企業の印刷会社に入社しました。
マイナーとはいえ就活には強い大学だったので、同期は大手メーカーに内定し、エンジニアなどの技術系職種で働いている人が多いです。
当時の私は就職活動も中途半端なチャランポランでした。とりあえず内定をもらえた中小企業で働くことになります。

職種はシステムエンジニアでした。
『プラントを作りたい』という漠然とした夢はあっさりと破れてしまいました。
大学では機械工学を専攻しており、C言語などの基礎的な授業は受けましたが、プログラミング等に関しては素人だったので、入社してからしばらくは研修についていくのも大変でした。
努力を続け、徐々に上司にも認めてもらえるようになりました。

ありがちな話ですが、入社して1年が経過した頃、

『自分のやりたいことはこれじゃない』

と思い始めます。
若者にありがちなパターンですね…恥ずかしい…。

私は行動の早さには自信があります。
翌週には【リクルートエージェント】に面談を申し込み、転職活動を開始しました。

第二新卒で中堅化学メーカーに入社(機械工)

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第二新卒での転職は簡単だった

新卒で入社した会社で1年ちょっとしか働いていないにも関わらず、転職市場は優しい世界でした。

  • 新卒で希望業界とは異なる企業に入社し、前向きに業務に取り組んでいたものの、プラントで機械工として働く夢を諦めきれなかった。

ありがちなフレーズですが、ネガティブな転職理由を見せないことで、企業から好意的な目で見てもらえたようです。
具体的には、

  • 希望とは異なる業界だったが、前向きに業務に取り組み、1年目から期待以上の成果を残した。
  • キャリアとしては物足りないが、長い期間SEとして働いた場合、機械工として職種を変えるチャンスは遠のくと感じた。

このように、『機械工になりたい』という軸を動かさず、異業種でのキャリアはその夢から遠のくことを伝えました。
第二新卒として転職活動をする必要性を訴えたのです。

幸い、中堅クラスの化学メーカーに内定を頂き、主力工場で保全業務(機器のメンテナンスなど)を担当することになりました。

プラントエンジニアとしては採用されませんでしたが、少なくともSE時代と比べるとかなり近い位置まで辿り着けました。

『死にものぐるい』が人生を好転させた

保全業務というと地味なイメージですが、非常にタフな仕事です。
工場の機械の調子が悪くなることは少なくありません。
軸が0.5mmズレるだけで生産ラインが停止してしまう世界です。

本来であれば業者が対応するべき案件でも、業者は24時間対応できるわけではありません。
24時間稼働の工場でしたから、深夜にエラーが起こった場合は現場スタッフがなんとかしなければいけません。

英語で書かれた機器の説明書を見て、大学時代に身につけた知識をフル回転させ、故障のリスクと戦いながら修繕を繰り返す日々です。
帰宅後も、電験やCADの勉強にかなりの時間を費やしました。
生産現場でのキャリアアップは資格と実務経験がモノをいう世界です。

ここで頑張れないと先は無い。

誰かに言われたわけでは無く、自分を追い込むことでキャリアアップを目指していました。

徐々に大きな仕事を任せてもらえるようになり、新規設備の現場導入など、プラント作りの一端を担えるようになりました。
ここで当初の夢は叶ってしまったのですが、数千万の金を動かす中で、もっと大きな仕事がしたい、大きな工場を建てたいという気持ちが強くなっていきました。

大手外資系食品メーカーに入社(プラントエンジニア)

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外資系メーカーの中途採用試験

2社目で6年目を迎えた頃、新たな会社への転職を決意しました。

小さい機器のメンテナンスから生産ライン全体の構築まで幅広い業務を経験し、自分のスキルには自信がつきました。同時にどこまで通用できるか試したくなったのです。

1回目の転職でお世話になったリクルートエージェントに加え、外資系に強いJACリクルートメントにも登録しました。
リクナビNEXTにも登録していましたが、やはり大手や外資系の求人は量・質ともにエージェントに劣ります。

しばらくして、JACの求人を通じてB to Cの大手外資系食品メーカーの選考に進めることになりました。
最終面接は英語でしたが、カタコトの英語でも自分の言いたいことをシンプルに伝えることを心がけ、なんとか切り抜けられました。

外資系企業の専攻で、一番困ったのはリファレンスチェックです。自分の推薦者を選ぶのです。
結局、信頼していた当時の上司に相談し、リファラーになって頂きました。同時に退職の意思も伝えました。

リファラーは推薦者として信頼出来る人でないといけません。
現職の上司が最適なのですが、難しい場合は、大学時代の教授など、自分の能力を把握しており、ある程度の地位についている人材を選びましょう。
リファラーとしての条件を満たせる方との人脈すら築けていない場合、外資系企業の中途入社試験を受けるレベルにないとも言えます。
外資系企業を希望するなら、表面上の関係ではなく、ビジネスを通じて信頼出来る人脈を作っていきましょう。

高給と激務と充実感のバランス

この会社での仕事はまさしくプラントエンジニアでした。
前の会社で経験した業務に加え、設計も担当し、入社して半年も経つ頃には1つの生産ラインの責任者となりました。

覚悟はしていたものの、非常にタフな仕事です。
仕事は非常に充実しており、海外研修も経験させて頂きました。
しかし、深夜までトラブル対応することも多く、プライベートをかなり犠牲にしていました。
社内の書類はほとんど英語ですし、海外拠点との会議は英語で行われるため、帰宅後も毎日勉強です。
ちなみに海外拠点との会議は時差がありますが、向こうの都合に合わされることも多く、深夜1時にビデオ会議をしたこともあります。

もう1つ私のモチベーションとなっていたのが給料です。
年棒は600万スタートでしたが、翌年には100万以上上がり、残業代も含めると1,000万を軽く超えるようになりました。もちろん残業代もしっかり出ます。
メーカー勤務のアラサーサラリーマンの給料としては、日系メーカーでは考えられない額です。

しかし、35歳を迎える前、急に体調を崩すことが増えました。
仕事自体は非常に充実しており、人間関係も良好でした。しかし。プレッシャーと激務はかなりのストレスでした。

このまま40歳までは働けない。

転職をするなら最後のチャンスだ。

私は外資系でのキャリアを終え、労働環境の整った日系メーカーへの転職を決意しました。

日系大手食品メーカーに入社(生産管理マネージャー)

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三度リクルートエージェントにお世話になり、私は現在も働いている日系の大手食品メーカーに入社しました。

35歳の転職はポテンシャルなど関係なく、即戦力になれるかどうかで判断されます。

前の会社で工場の設備全体をマネジメントしていた経験が評価されました。
現在は現場から離れ、生産管理を中心にマネジメント業務を担当しています。

知名度は非常に高い企業だと思いますが、年収は3割ほどダウンしました。
年収の優先度はあまり高くなかったので、仕方ありません。
労働環境を含め、トータルでは非常に満足して働けており、このまま最後の会社にしたいと考えています。

転職のリスク:履歴書が汚れるということ

終身雇用の色が強い日系メーカーでは珍しいキャリアかもしれません。

自分の意思に沿ってキャリアを繋いでこれたのは非常に幸運でした。
私は学歴も決して高くはなく、頭の回転も悪いです。
『一般人』が転職を経てステップアップしていくには、それ相応の努力が必要なのです。

20代のキャリアチェンジは難しくないでしょう。
しかし『転職歴』が中途採用でプラス評価になることはまずありえません。
我々はこれを『履歴書が汚れる』と表現します。

複数の会社でキャリアアップしていくためには、相応の理由とスキルが不可欠です。
激務やパワハラに悩む人は転職により解決できる場合が多いかもしれません。
しかし、ステップアップを目標としている場合、転職はリスクの方が圧倒的に高いです。
人間関係も、それまでの評価も全てリセットされるわけですからね。

とはいえ、泥臭いキャリアではあるものの、複数の会社を経験し、私は大きく成長できました。
リスクを跳ね除ける『覚悟』がある人は、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

『刺激的な人生』だけは保障できますよ笑

 

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ABOUTこの記事をかいた人

『採用担当者のホンネ日記』で外資系企業に関する記事を担当する30代後半サラリーマン(4社目) 外資系食品メーカーを経て、現在は日系大手食品メーカーで生産管理のマネージャーを務める。専門は化学工学。 20代の頃には化学業界から食品業界への転職を経験しており、異業種や外資系への転職事情にも詳しい。